食ラボニュース

「全国かまぼこ展示試食会」に行ってきました

2月27IMG_1386日(金)、かまぼこ連合会主催の「全国かまぼこ展示試食会」が開催されました。

板かまぼこ、ちくわ、笹かまぼこ、はんぺん、伊達巻、あげかまぼこ、カニかまぼこ、珍味かまぼこなど、全国から集まったかまぼこは、約800品。

この展示試食会は、全国の水産練り製品を一堂に集め、その年の優秀な製品を表彰することで、水産練り製品の品質、製造技術の向上を図り、さらには一般消費者やバイヤーに水産練り製品の多様性と奥深さを紹介するのが目的です。

ダイエット食品としても注目

かまぼこは、程よく弾力があって食べ応えがある上に、腹持ちも抜群。カロリーが低い

ので、最近はダイエット食品としても注目されています。

かまぼこに板が付いているのはなぜ?

かまぼこに板が付いている理由は、作る時に形を半円形に整えやすいからです。かまぼこを蒸したり冷やしたりする際に出る余分な水分を板が吸い取って、腐りにくくなるというメリットもあります。

珍しいご当地かまぼこも多数登場!  

関西ではすっかりおなじみだというあげかまぼこ(見かけはまるで大判メンチカツ!ほどほどにさっぱりしていて、おやつやビールの友にピッタリ!)、スモークサーモン風味かまぼこ(かにかまの、スモークサーモン版!)、長さ30cm以上もある長~いチーズかまぼこや帆立かまぼこなど、珍しいご当地かまぼこも多数登場しており、日本各地のバラエティ豊かな美味しさを楽しむことができました。

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会場:東京海洋大学 品川キャンパス 落水会館1階

日時:2015年2月27日(金)11:00~15:00

主催:全国かまぼこ連合会

東京ごはん映画祭

「東京ごはん映画祭」。今年で5回目です。

“食”でつながる人々を描いた映画や、ごはんが印象的な映画を集め、15日間にわたり公開する「東京ごはん映画祭」。今年で5回目です。
東京ごはん映画祭

16の映画が、渋谷の映画館(シアター・イメージフォーラム)で上映されるほか、表参道ヒルズや都内各所の指定レストランでは、各映画に登場する料理にちなんだごはん付きの上映会も行われます。

ただいま上映中の映画は、「バチカンで逢いましょう」「ディナーラッシュ」「めがね」「オリンダのリストランテ」「お茶漬けの味」「浮き雲」「バベットの晩餐会」「天使の分け前」「Cooking Up Dreams」などなど。
さらに、今年の「サン・セバスチャン国際映画祭」(9/19~9/27)のキュリナリーシネマ(食にまつわる良作映画)部門で、最優秀作品に選ばれた映画「FINDING GASTON
もさっそく上映されています。
「FINDING GASTON」は、前出の「Cooking Up Dreams」とともに、今、世界中から注目されているペルー人シェフの“ガストン・アクリオ”を追ったドキュメンタリー映画です。
なぜ今ペルー料理なのかといえば、ガストンシェフが自国の料理を世界に向けて発信したことで、ペルー料理が認知され始め、やがて世界の一流シェフたちから注目されるようになりました。世界一予約のとれない店で知られた「エル・ブリ」のオーナーシェフ“フェラン・アドリア”が、突如「エル・ブリ」を閉店させたあと、2013年秋にバルセロナにオープンさせたお店は、日系ペルー料理店でした。
今や、世界のトレンドとなりつつあるペルー料理。その立役者であるガストン・アクリオの映画は、16の映画の中でもやはり必見でしょう。映画には、ペルー各地のローカルフードから、ヌーベル・ラティーナ(新ラテン料理)まで、新旧さまざまなペルー料理も登場します。

第5回 東京ごはん映画祭   2014年10月10日~24日
http://tokyogohan.com

食ラボインタビュー第2回西島豊造さんがアップされました

西島豊造さん

西島豊造さん

東京都目黒区の米穀店「スズノブ」代表取締役。北里大学獣医畜産学部土木工学科卒。農業近代化コンサルタント会社への就職を経て、家業の米屋を継ぐ。現在は米屋の経営のほか、米作農家の生産者の指導や米の品種改良、地域活性活動、調理師学校の講師まで幅広い。またお米博士、五ツ星お米マイスターとしてTVや雑誌等でも活躍中。

―――お米屋さんとしてはユニークな経歴をお持ちですね

大学の学部は土木工業科で、ここで土について研究していました。卒業後は北海道の農業土木のコンサルタント会社に就職し、水田の設計やダムの構造計算などの仕事をしていました。当時は、大学や仕事で学んだ知識がまさか家業の米屋に活かせるとは思いもしませんでしたが、実際には大いに役立つことになりました。土を学んで、農業土木の知識を得たことは、今の自分の強みになってます。

―――小売業の枠を超えて活動し始めたきっかけは?

以前から小売の米屋の中には、スーパーなどと差別化するため、生産者から直接仕入れして、こだわった米を販売する店はありました。自分が産地を見てまわったのは、そういった仕入れ目的もありましたが、それ以前に、米の品種や産地の勉強のためでもあったんです。ところが、全国を見てまわる間に、産地の後継者不足や、田の衰退している実態をまのあたりにして愕然としました。

街がさびれると、若い人や若い家族に必要な仕事や場所が減るため、元気な街へと出ていってしまう。そうなるとさらに町は衰退してしまいます。その負の現象をくい止めるためには、魅力ある街、存在価値のある街にしなくてはならないんです。

自然を相手にしている米作は、必ず豊作や不作があり、大雨などの災害もあって、田植えから稲刈りまではひとつの大きなストーリーなんです。だから、これらを消費者にしっかり伝え、なんとか産地の活力を取り戻すシステムを作れないかと考えたんです。

―――具体的にはどのような活動を始めたのですか

生産者とだけつながるのではなく、JAや地域全体と手を結び、その地域でしかできないブランドづくりを始めました。生産者と地域農協や全農その他、市町村や県、米屋が一体となって、今までの概念にとらわれず、自由な発想で、新しい栽培法や銘柄米づくりに取り組み、時代に合った新しい米づくりを目指そうと思いました。また途切れてしまった農業の後継者をもう一度育て、産地を活性化しようと・・・。そのためにも、独自のプロジェクトを立ち上げ、各地の環境を活かした米の栽培方法を探り、差別化できる特徴や味をもった新しいブランド米を誕生させています。将来的には、米の産地の格差をなくし、消費者が産地イメージでお米を選ぶのではなく、自分の好みでお米を選ぶ、そんなふうになるのが理想ですね。

―――日本中の産地から声がかかりませんか

休みなしですよ、飛び回っています。自分は小売なので、消費者の声が聞こえるし、流通や経済の流れもわかるから、意見を言わせてもらっています。一方で、個人で生産から流通まですべてやっているような、がんばっている農家ほど末端の情報が入ってこなくて、古い考えのまま「俺の作る米が一番うまい」と言い続けていることも多い。が、個人ですべてできる時代は終わっています。今は地域全体が一丸となって取り組む時代です。だからこそ、地域密着の農協の活性化をしていかなくてはなりません。

―――いまの農業の現状をどのように見ていますか

中山間地が大半の日本では大規模農業は無理だと思っています。コストが下げられないため、価格では外国から入ってくるものに対抗できない。そうなるとまず何が起こるかというと、農業をあきらめる人が増えていき、農業の崩壊が始まります。手間がかかる中山間地ほど、農地が捨てられ荒れていきます。手入れをしていない水田は、乾燥するだけでなく、樹木が生えることで基盤の土がひび割れ、水を蓄えるダムとしての機能を失ってしまいます。その結果、大雨の時にはひび割れた部分から地中に雨水が一気に流れ込み、表面的に崩れるだけに収まらず、山が削り取られるような大きな土砂災害となってしまいます。そうなった場合は、肥えた土や何十年もかけて作り上げた貴重な農耕地までも失うことになり、復活させることはほぼ不可能となってしまうのです。日本人にとって農地とは何なのか、お米とは何なのかを、もう一度考える時期にきていると思います。

―――最後に、西島さんにとってお米とは何でしょう。

自分はお米をお米として見ていないかもしれません。お米をきっかけとして、さまざまな地域が元気になることを望んでいるし、土地を活気づけたいと思っています。たとえば、新しいブランド米がきっかけとなって若者が農業に価値を見いだせば、地域の力がつき、活性化にもつながると思うんです。また、自然を相手にしている米作は必ず豊作や不作があり、大雨などの災害もあって、田植えから稲刈りまでは大きな大きなストーリーなんです。これらを消費者にしっかり伝えていくことも、自分のやるべきことだと思っています。

 

うま味がつなくスペインと日本の食

だしの風味、味噌や醤油の味わいのなかに、われわれ日本人は「うま味」を身近に感じてきました。

「うま味」は、甘味、酸味、苦味、塩味とならぶ五つの基本味のひとつ。

主な成分はグルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸です。

実は、うま味物質はトマトやチーズなどをはじめ多くの食品に含まれているのですが、長い間、欧米では「うま味」という味の存在は認知されていなかったのだとか。

近年、欧米でもうま味への関心が急速に高まり、研究もすすんで、「UMAMI」という国際語が広く使われるようになってきました。

 

現在、日本の料理人たちが国内外で「うま味サミット」を開催するなど、さまざまなかたちでうま味の普及につとめる活動がさかんに行われています。

そして各国の素材や料理と融合した新しいスタイルも生まれています。

 

今回、ひとつの試みとして、近年のガストロミー界をリードする注目のスペイン料理と、日本料理のうま味との融合を体感するイベントが開催されました。

スペイン「エル・ブジ」で修業された経験を持つ山田チカラ氏が、スペイン料理に日本のうま味を加えた料理を創作。その料理を紹介します。

写真 umami

(写真上から順に)

「カルソッツ」カタルーニャのねぎ焼き。にんにく、ナッツ、パプリカを効かせたロメスコソースと、昆布〆にした焼きねぎを合わせて

「生ハムとマンチェゴチーズ」ふたつのうま味食材の盛り合わせ

「カジョス」スペイン風モツ煮。干し椎茸を加えて

 

参加者からは「どれもスペインならではの料理スタイルなのに、日本酒に合いそう」という感想も聞かれ、

もとの料理とは一味違う「うま味」を使いこなすことで、味の幅がこんなにも広がり、ユニークで新しい料理が生まれることを体感しました。

昆布のだしで洋風スープを作ってみたり、違う国の発酵調味料を使ってみたり。

自由な発想で「うま味」を使いこなし、楽しんでみるのはいかがでしょうか。