「醤油の日の集い」開催

日本では昔から、10月の農閑期になるとその年の大豆や小麦の新穀物を使ってしょうゆの仕込みを始めたのだとか。それにちなみ、日本醤油協会では10月1日を「醤油の日」と定め、毎年、「全国醤油品評会」や、一般から公募する「レシピ&エピソード料理コンテスト」を行っています。今年も東京・ロイヤルパークホテルにて「醤油の日の集い」が開催され、入選作品が紹介されました。

shoyu1

 

shoyu2レシピ&エピソードコンテスト“親子の部”最優秀賞に選ばれたのは、三重県三重郡の田添文江さん&智郷さん(中3)親子の「お豆腐ムースとしょうゆゼリー」

しょうゆ味のデザート!?初めは恐々でしたが、口に入れてみて納得。日本人にはおなじみの、みたらし団子風味だったからです。みんなが好きなほっとする味。やさしい豆腐ムースにゆるゆるのしょうゆゼリーが溶けあっていました。

 

shoyu3同じく“高校生の部” 最優秀賞は、三重県伊勢市の濱口風太さんの「磯ご飯と鯵の蒲焼風握り」

ホームパーティーにもぴったりな握り寿司風。伊勢市特産のあおさを炊き込んだご飯に、揚げびたし風の鯵をのせて。あおさの磯の香りと、しょうゆの香ばしさの秀逸な出会いでした。
shoyu4そのほか、ホテルが用意した料理の中から、うすくちしょうゆを使った「サラダニソワーズ」

うすくちしょうゆは関西で生まれた色の淡いしょうゆ。こいくちよりも食塩を約1割多く使用することで発酵と熟成がゆるやかになり、色や香りを抑えたしょうゆです。ニソワーズとは、南仏ニースの具だくさんサラダ。色とりどりの野菜やツナ、卵が入ってボリュームたっぷり。うすくちしょうゆが全体をきりりと引き締めていました。

 

shoyu5しろしょうゆを使った「サーモンのターターとホタテ貝のエマンセビネガー風味」

しろしょうゆとは愛知県碧南地方発祥、小麦を主原料とした、うすくちよりもさらに淡い琥珀色のしょうゆ。味は淡泊ながら甘みが強く、独特の香りがあります。色をつけたくないこんな繊細な料理には最適ですね。甘い香りも魚介類の生臭さを打ち消してくれます。ターターはたたき、エマンセは薄切りの意。

 

shoyu6たまりしょうゆを使った「和牛ロースの薄切り たたき風」

たまりしょうゆとは主に中部地方で造られる色の濃いしょうゆ。とろみと濃厚なうま味、独特の香りが特徴。加熱するときれいな赤みが出るため、照り焼きや佃煮などにも使われます。まさにお肉にぴったり!強い味どうしですが、双方が負けていません。照りのあるソースの色も食欲をそそりますね。

 

しょうゆには地方色があり、それぞれの地域の文化の中で独特に培われてきた味があります。日頃は自分の慣れ親しんだしょうゆを愛用しがちですが、このように料理によってしょうゆをうまく使い分けるのも、料理をグレードアップさせるひと技となるのですね。そして和食にとわられず、洋食やデザートにも!もっと気軽にしょうゆを活用してみてはいかがでしょうか。