「残したい!伝えたい!日本の味!我が家の味!」⑧

『残したい、伝えたい、日本の味!我が家の味!』

食ラボで研究中の家庭料理シリーズ。
8月は、“豆腐料理”をとりあげました。

今回、食ラボ研究員に披露してもらったのは、
①思い出の味やふるさとの味
②我が家の味や人気の味

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いつものように、“思い出の味、ふるさとの味”から。
ほぼ全員が一番にあげたのは、身近すぎるくらい身近な、ごく普通の「冷奴」でした。昔も今も変わらないシンプルな味は、きっとそのまま飽きない味にも通じるのでしょう。豆腐の上にはすりおろしたしょうがやねぎ。その他、大葉やみょうが、かつお節・・・がおなじみの薬味。冷奴以外では「湯豆腐」や「揚げ出し豆腐」などをあげた人もいましたが、夏のまっただ中ということもあり、冷奴人気がダントツの強さを見せました。

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変わり冷奴

続いて“我が家の定番&人気の豆腐料理”では、さまざまな「変わり冷奴」が集まりました。ねぎ、塩、ごま油、黒こしょうを合わせた“ねぎ塩だれ”がけ。にらと三つ葉を刻み、しょうゆとなじませた“にら、三つ葉じょうゆ”がけ。“練り梅とオクラのせ”。“ひきわり納豆、オクラ、長ねぎ、みょうがのせ”。“おいしい塩とEX.バージンオリーブオイルがけ”。“大根おろしとじゃこ、大葉のせ、しょうゆがけ”・・・などです。

 

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ピータン豆腐

もう一つ、みんなから名前が上がったのは“ピータン豆腐”です。豆腐にピータン、ザーサイ、干しエビ、ねぎを刻んでのせ、しょうゆ、酢、ごま油、ラー油をかける中華風冷奴ですが、今やすっかり日本の家庭料理の仲間入りをしているようです。その中から今回は鈴木さんにピータン豆腐を作ってもらいました。水切りした豆腐、ピータン、ザーサイ、たたききゅうりを皿に盛り合わせ、ごま油と青唐辛子漬けをかけ、混ぜ合わせて食べるというもの。あらかじめ青唐辛子をしょうゆに漬けておいたという自家製青唐辛子漬けを使うのが鈴木風。ラー油に比べより和風の、シャキッとした辛さになっていました。

 

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四川風麻婆豆腐と塩麻婆豆腐

豆腐を使った中華といえば、「麻婆豆腐」もしっかり日本の家庭料理に根づいているようです。今回はオーソドックスな「四川風麻婆豆腐」とともに、牧野家で人気だという「塩麻婆豆腐」を作ってもらいました。山椒は仕上げに使いますが、豆板醤や甜麺醤を使わず、味つけは塩を中心に豆鼓やラー油で。さっぱり味のマーボーは暑い時期にもぴったり。高校生の息子さんの大好物でもあるそうで、お誕生日の朝、晩ご飯のおかずは何がいい?と聞いたら、すぐさま「塩マーボー」という答えが返ってきたのだとか。ほほえましいお話ですね。

 

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ベトナム風 厚揚げのトマト煮

このほか、牧野家で最近作って好評だったのが「ベトナム風 厚揚げのトマト煮」。厚揚げにひき肉だね(豚ひき肉、春雨、きくらげ、玉ねぎ)を詰め、粗くすりおろした生トマト、しょうゆ、ナムプラーで煮る1品。生トマトの味がいきています。これから牧野家の定番の味になるかもしれませんね。

 

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炒り豆腐

飯塚家の定番は「炒り豆腐」。豆腐をにんじん、ごぼう、干ししいたけ、きくらげ、いんげん(夏場はゴーヤのときもあるとか)などとともに炒りつけた、昔ながらの和そうざい。「息子が小さいころからずっと作り続けていて、今では我が家のおなじみの味になっています」。ほっとする味は、家庭料理の鑑です。

 

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厚揚げと牛肉、トマトのごまあえ

また、厚揚げが好きなご主人のためによく作るのが「厚揚げと牛肉、トマトのごまあえ」。厚揚げと牛肉をサッとゆでてから氷水にとり、切ったトマトとともに練りごま、酢、砂糖、ラー豆鼓の合わせ調味料であえたもの。ご実家から高菜漬けがたくさん届くと作るのが「豆腐と高菜の炒め煮」。豚バラ肉と高菜を炒め、豆腐、だし汁を加えて軽く煮たもの。高菜漬けが手に入らないときは野沢菜でも代用できるとか。トマトや漬物のうまみが加わって、どちらもいい味出しています。

 

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豆腐ディップ

そして、ゆでた野菜をたっぷり食べられそうなのが「豆腐ディップ」。水切りした木綿豆腐、練りごま、うす口しょうゆと砂糖をフードプロセッサーにかけ、なめらかなディップ状にするだけ。ちょうど、白あえのあえ衣のようなディップを、ゆでたブロッコリーやオクラにかけたり、つけたりして食べます。ほかにれんこんやグリーンアスパラなどにも合うそうですが、あえて、あえない白あえがおもしろいですね。

 

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ゴーヤチャンプルーと豆腐サラダ

家族みな豆腐好きで、豆腐や厚揚げはほぼ切らしたことがないという長島家。冷奴に始まり、冷や汁、肉豆腐、湯豆腐、麻婆豆腐、揚げ出し豆腐、豆腐のかにあんかけ・・・などなど、豆腐メニューは数知れず。その中から、ゴーヤチャンプルーと豆腐サラダを作ってもらいました。
沖縄のソウルフード「ゴーヤチャンプルー」は、今や日本中ですっかりおなじみの家庭料理。材料は豆腐、ゴーヤ、豚バラ肉、卵、かつお節と、ごくごくオーソドックスですが、しっかり水切りした豆腐を大きく切って使うのが長島流。「豆腐も盛りつけもダイナミックな方が、よりシズル感が増すと思うからです」。
一方、水切りした木綿豆腐をスプラウトやベビーリーフなどの葉野菜と組み合わせ、カリッと焼いた豚バラ肉や、香ばしく煎って粗みじんにしたカシューナッツ、みじんに切った赤パプリカやライムの皮の細切りをトッピング。そしてこれらを、ごま油とオリーブ油、うす口しょうゆ、レモンや酢を合わせ、干しエビ、クコの実を加えたドレッシングであえたもの。豆腐サラダといっても、香味野菜をはじめとして、豚肉やナッツの香ばしさが加わり、さらにライムやレモンの風味も加わり、なんとも食べ応えのあるごちそうサラダになりました。

 

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ガドガド

最後に、厚揚げを使うインドネシアのサラダ「ガドガド」を紹介してくれたのは久保田さん。エスニック料理店ではよく見かけるメニューですが、かつてジャカルタに赴任していた久保田家にとっては、今や“家庭の味”のひとつ。「インドネシアでサラダといえば、ガドガド。日本にいるときから好きでしたが、向こうに住んでさらに好きになりましたね」。その理由は、ピーナッツを使ったソース。日本のインドネシア料理店では、ピーナッツバターを使って作る店も多いですが、現地では毎朝、揚げたピーナッツを石臼で砕いてつぶすところから始まるとか。「とにかく香ばしいし、風味が違うんです」。サラダの具は厚揚げのほか、ゆでた小松菜、キャベツ、いんげん、もやし、そしてゆで卵。今回も現地から持ち帰った石臼で、揚げたピーナッツをゴリゴリゴリゴリと砕き、唐辛子、レモンリーフ、カー、ケチャップマニス、パームシュガー、塩を加え、なんとも香ばしい甘辛ソースを作ってくれました。このソース、厚揚げやゆでた野菜以外にも、ゆでた(蒸した)鶏肉などにかけてもおいしいそうです。シンプルなサラダといえども、この一手間がおいしさにつながるんですね。