残したい、伝えたい、日本の味!我が家の味!③

『残したい、伝えたい、日本の味!我が家の味!』

食ラボで研究中の家庭料理シリーズ。4月は、我が家の“春のおすし”と“あえもの”をとりあげました。

食ラボ研究員の家の食卓に登場するのは、どんな“おすし”と“あえもの”なのでしょうか。おすしは、代表して3人のお宅のおすしが披露されました。

 

 

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まずは牧野家定番「えびのちらしずし」。たけのこ、にんじん、干ししいたけを、だし汁、砂糖、しょうゆで甘辛く煮て、酢飯に混ぜ込みます。上に散らす具は、炒り卵(甘めにいりつけたもの)、絹さや、ゆでたエビ、そして刻みのり。息子さんがエビ好きなので、エビをのせることが多いのですが、エビの替わりにマグロやタイ、カニがのることも。このおすしは息子さんの友だち親子さんが集まるご飯会などでも大活躍するとか。甘辛く煮た具と、酢飯の相性は永遠に不滅。子供から大人まで、みんなが好きな味。

 

 

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次は、長島家の「タコとサーモン、アボカドのてまりずし」。ゆでたタコ、スモークサーモン、アボカド、温海かぶの漬物はそれぞれさいの目に切り、タコとアボカドは合わせ酢を少々かけておきます。酢飯を作り、具を混ぜ込み、丸く握っててまりずしに。普通のてまりずしより、かなり大きめ(おむすび大)に握るのが長島流。アボカドと酢飯の相性はカリフォルニアロールで今やすっかりおなじみ。魚介類とも好相性で、昔ながらの日本のおすしに新風を吹き込んだ具です。タコやかぶの漬物の食感もきいています。

 

 

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最後は、成瀬家の「たけのことふき、木の芽ずし」京都のご実家は下鴨。下鴨神社の春のお祭り“葵祭り”(5月)のときに、必ず作るちらしずしだそうです。具は、たけのこ、ふき、ちりめんじゃこ、錦糸卵、紅しょうが、木の芽。たけのことふきはそれぞれゆで、前の晩にだし汁、酒、塩、うす口しょうゆで煮て、味を含ませておきます。合わせ酢に先にちりめんじゃこをつけておき、これをご飯と合わせ、酢飯に。汁けをきったたけのことふき、木の芽(混ぜ込むほうの軸は取り除く)を混ぜ込み、上に錦糸卵、紅しょうが、木の芽を散らします。美しい見た目も、はんなりした味わいも、いかにも京都らしいおすし。

 

 

 

あさりとせりのあえもの(秋元家)

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酒蒸ししたあさりを、サッとゆでたせりと合わせ、上にせん切りしょうがをのせます。味つけはほぼあさりの塩気だけ。足りない場合はしょうゆをひとたらし。

◎貝類のおいしい春先に、秋元家によく登場するのがこのあえもの。せりの風味ともよく合います。

 

 

菜の花の酒粕あえ(成瀬家)

 

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菜の花はゆでて、しょうゆ洗いしておきます。酒粕(板状)を香ばしく焼いたら、あたたかいうちにすり鉢に入れ、みそ、砂糖、うすくちしょうゆを加えてすり混ぜ、菜の花とあえます。

◎もともとは成瀬家のおばあさまから習った味で、冬から春にかけてよく作るあえもののひとつ。真冬は小松菜で作ることもあるそうです。

 

 

焼きたけのこの青のり&木の芽あえ(牧野家)

 

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たけのこは生からゆでておきます。これを一口大に切り、オリーブオイルで香ばしく焼き、塩と青のり、木の芽であえます。

◎牧野家はみなそろってたけのこ好き。たけのこの土佐あえとともに、春の食卓によく登場するあえものだとか。

 

 

うどのナムル(岩崎家)

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4~5㎝長さに切って皮をむき、ゆでたうどをごま油で炒め、砂糖、塩、ごま、一味唐辛子のあえ衣であえます。

◎岩崎家では、野菜はゆでっぱなし、焼きっぱなしかサラダが多いので、普段はあえものをほとんど作らないそうですが、唯一作るのが、菜の花のからしあえとコレ。うどの残った皮はもちろん捨てずに、細切りにしてきんぴらにします。

 

 

春野菜と長芋、とろろあえ(長島家)

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うるい、こごみなどの山菜や折り菜(または菜花)はサッとゆで、軽く塩をふっておき、とろろ昆布はうす口しょうゆと塩で下味をつけておきます。皮をむいた長芋はポリ袋などに入れ、すりこぎでたたいてつぶし、野菜やとろろ昆布とあえます。

◎長芋やとろろ昆布のあえものが、最近のお気に入りという長島家。ヌルネバがつなぎになるところもアイデア。

 

 

タコと野菜のピリ辛あえ(長島家)

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タコは米粉をまぶして揚げ、アスパラとれんこんは素揚げします。ゆでた空豆やトマトとともにボウルに入れたら、塩、豆板醤、うす口しょうゆの順に加えてあえ、最後にごま油をまわしかけ、糸唐辛子をのせます。

◎魚介類好きの長島家らしく、あえものにはたいがい魚介類が1~2種類は入るとか。野菜は季節のものなら何でもOK。夏場は揚げなすがおすすめ。調味料は一度に加えず、ひとつずつ順番に加えてあえるのがポイントだそうです。