残したい、伝えたい、日本の味!我が家の味!①

『残したい、伝えたい、日本の味!我が家の味!』

食ラボで研究中の家庭料理シリーズ。2月は、我が家の“肉じゃが”と“きんぴらごぼう”をとりあげました。

 

肉じゃが、きんぴらともに、代表して3人のお宅の味が披露されました。肉じゃがといえば、昔から“おふくろの味”の定番中の定番。一方で、肉じゃがの肉は、牛肉か豚肉かでも別れるところ。一般に、関東は豚肉、関西は牛肉ともいわれていますが、各お宅によっても、好みによっても異なるようです。食ラボでも、今回はたった3人といえども、見事に違いが出ました。

 

肉じゃが①(岩崎さん)

 

 

 

 

 

まずは岩崎家の「肉じゃが」。牛肉(切り落とし)、じゃが芋、玉ねぎ、にんじん、突きこんにゃく。突きこんにゃくがない場合は(おいていないお店も多い)、なるべく太めの白滝を使うそうです。昆布とかつおだし。しょうゆ、砂糖、みりん、酒。肉じゃがは、夫婦ともに大好きな料理。実家では、肉じゃがはなぜか食卓に登場することがなかったので、結婚後から作るようになった料理だそうです。

 

肉じゃが②(成瀬さん)

 

 

 

 

 

 

成瀬家の「肉じゃが」 。牛肉(切り落とし)、長ねぎ(あれば下仁田ねぎ)、白滝、麩。しょうゆ、砂糖、みりん、酒。あえてだしは使わず、具材を牛脂で炒めてコク出しするそうです。特徴は、玉ねぎでなく長ねぎを使うことや、麩(金沢の麩)を必ず入れること。にんじんは入れず、煮汁をほとんど麩に吸わせるように煮るのは、成瀬家のお義母さん仕込み。ご実家の肉じゃがは、やはり牛肉を使うそうですが、長ねぎではなく玉ねぎ。さらにはもう少し甘めでつゆだくだそうです。

 

肉じゃが③(長島さん)

 

 

 

 

 

 

長島家の「肉じゃが」 。豚バラ肉、じゃが芋(キタアカリ)、玉ねぎ、にんじん、生しいたけ、白滝。かつおだし、しょうゆ、砂糖、みりん、酒。肉はぜったい豚肉派。それもバラ肉を使うのがポイントで、具材は炒めずに作ります。だし汁で先に野菜を煮てから、肉を加えて煮ますが、バラ肉からはうまみとコクも出るそうです。とはいえ、作り手本人が、実はじゃが芋が好きではないため(里芋の方が好き)、肉じゃがは年に数回作るかどうか。肉じゃがより、肉豆腐や牛すじの煮込みを作る方が多くなってしまうそうです(ちなみに、カレーにもじゃが芋は入れず、ポテトサラダもあまり作らないとか)。ただしご家族はじゃが芋好きなので、作るときは必ず豚肉を使うそうです。牛肉で作るよりあっさり味に仕上がるところが家族にも評判がいいとか。

 

「きんぴらごぼう」「なすの皮のきんぴら」「しいたけの軸のきんぴら」(成瀬家)

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ごぼう、にんじん、七味唐辛子(または赤唐辛子)、白ごま。しょうゆ、酒、みりん、ごま油。切り方はその時々で変えているそうですが、きょうは大きめのささがきに。季節によって、さまざまな野菜できんぴらを作りますが、中でもみんなに驚かれるのが「なすの皮のきんぴら」。皮をむいたなすを使ったあと、残った皮だけで作るきんぴらで、いわゆる始末の料理ですが、思いのほかおいしくて評判がいいそうです。今日はしいたけの軸が残っていたので、それもきんぴらにしてみました。

 

「きんぴらごぼう」(長島家)

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ごぼう、白ごま、糸唐辛子。しょうゆ、砂糖、みりん、酒、ごま油。ごぼうの切り方は、やはりそのときどきで変えるそうですが、今日は極細切りに。ごぼうのきんぴらは、ごぼうだけで作るのがお好み。にんじんは食感が違うので、入れたくないそうです。また、赤唐辛子は、韓国産の糸唐辛子を使います。

 

「五色きんぴら」(岩崎家)

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セロリ、にんじん、ピーマン、エリンギ、ベーコン、赤唐辛子。みりん、しょうゆ、塩、ごま油(またはオリーブ油)。家でごぼうをきんぴらにして食べることは年に1度あるかないか。かわりに普段は季節の野菜やそのとき家にある野菜できんぴらにして食べることが多いそうです。野菜と一緒にベーコンを炒めてうまみを出したり、ごま油やオリーブ油を使ってコク出しするようにしているとか。今回は4つの野菜とベーコンで五色きんぴらに。たいがいはお酒のお菜にするので、あまり甘くしないようにしているそうです。