「残したい!伝えたい!日本の味!我が家の味!」④

『残したい、伝えたい、日本の味!我が家の味!』

食ラボで研究中の家庭料理シリーズ。5月は、“たまご焼き”をとりあげました。

食ラボ研究員の思い出の味や、我が家の食卓に登場するのは、どんな“たまご焼き”でしょうか。まずは、昔懐かしい思い出の味から。

 

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「昔、お弁当に入っていた母のたまご焼きは、砂糖やみりんが入った、いわゆる甘いたまご焼き。卵と調味料だけで作る、シンプルなものでした。塩少々と、しょうゆはうす口を少々。だし汁より水を加えて、できるだけ黄色い色に仕上げていたのを覚えています」とは、鈴木さん。

 

「うちの母のは、うっすら茶色をしていましたね。だし汁は入れず、塩は少々ですが、砂糖は多めでしょうゆ(濃い口)も多め。焦げ目もしっかりついていました。すごく忙しいときなどは、鍋でささっと焼き、いりたまごの一歩手前で取り出し、ふきんで包んですのこで巻き、それこそあっというまにたまご焼きにしていました」と久保田さん。でも、自分が子供たちに作っていたお弁当用のたまご焼きにはだし汁を少し入れていたそうです。しょうゆはうす口にし、塩少々、砂糖は少し多め。プレーンなたまご焼きのほか、ハムやほうれんそうを極小のみじん切りして入れることも多かったといいます。

 

「私の実家の母が作るたまご焼きにも砂糖が入っています。それと、酒どころに実家があるせいか、たとえ子供用のたまご焼きでもお酒がた~っぷり入っていましたね。だし汁は使わず、たっぷりのお酒に、砂糖、塩、しょうゆ少々。今、私の作るたまご焼きにはだし汁を入れますが、やはりお酒は必ず入れています。あと、母のたまご焼きにもよく、ゆでて刻んだほうれんそうが入っていました。色目がきれいだから入れたのか、栄養があるから入れたのか・・・」と岩崎さん。

 

「うちは、母が京都出身だったせいか、ほとんどがだし巻きたまごで、甘くないたまご焼きでした。それで育ったせいか、どちらかといえば私自身もそのほうが好み。今も甘くないたまご焼きを作ることが多いですね」というのは秋元さん。

 

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「母がよく作ってくれたたまご焼きというと、炒めた豚ひき肉や玉ねぎをオムレツ風に巻いたもの。こしょうも入って、ちょっと濃いめの味つけでした。甘いたまご焼きも作ってくれましたが、私は甘いのよりこっちの方が好きでしたね」というのは長島さん。

 

次に、最近の我が家の定番や、人気のたまご焼きをご紹介しましょう。

 

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久保田家がお正月用に毎年必ず作るのは、だし汁たっぷりのだし巻きたまご。濃いめのだし汁をとり、砂糖、塩、うす口しょうゆで焼き上げます。「だし汁の割合が多いので、すまきで巻くと、だし汁がジュワッとしみ出すくらい・・・」

 

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牧野家の定番たまご焼きは、甘くないだし巻きたまご。卵、だし汁、うす口しょうゆと塩を少々使います。プレーンなたまご焼きにすることも多いそうですが、そのときどきでいろいろな具を入れ、変えているそうです。ちなみに最近家族に好評だったのは、しらす入り。また、以前仕事でたまご焼きとコンロの温度の関係を調べたことがあり、その結果、「温度調整ができるガスコンロでは150℃に設定した上で、卵液を3回に分けて流し入れ、最初は三つ折り、あとの2回は二つ折りにして焼き上げれば、初心者の方でもきれいに焼けますよ」と牧野さん。

 

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飯塚家のお弁当の定番も、同じくだし巻きたまご。だし汁、みりん、塩、うす口しょうゆ で、ごくごく普通のプレーンなものをよく作るそうですが、ほかにも家族に大人気なのが、カニ(または帆立)入りのオーブン焼きたまご。はんぺんのすり身が入るのがポイントで、すり鉢かフードプロセッサーですったはんぺんを、カニ(または帆立)のほぐし身、だし汁、うす口しょうゆ、砂糖とともに溶き卵に加えたら流し缶に注ぎ、天板に湯をはったオーブンで焼き上げたもの(170℃30分程度)。もともとは成瀬さんから教わったレシピだそうですが、今や飯塚家の人気&定番たまご焼きになっているそうです。

 

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長島家で、息子2人と夫のお弁当に入れるたまご焼きベスト5は、①う巻き 明太巻き 山椒ひじき(自家製)入り  ④前の晩の残りのトマトチキンやビーフストロガノフなどを巻いたもの ⑤季節の野菜入り。この中から、今日は③と⑤を披露してくれました。自家製の山椒ひじきは、ひじきの汁気をとばすまでたいて、実山椒、粉山椒を加えたもの。長島家にはたいがいストックしてあり、副菜で食べたり、たまご焼きの具やおにぎりに混ぜ込んだり・・・と、大活躍しているそうです。⑤の季節の野菜は、今回は空豆。塩ゆでした空豆を主な具にして、ホールトマトも加えました。生のトマトにすると、あとから水気が出てしまうのでここは水煮がベター。そしてまろやかさを出すためにも、卵液に生クリームを少々加えて焼いたのがポイントだそうです。